頭の回転

 

職場環境でどのような人が頭の回転が早いのか、少し考えてみました。例えば100人超を束ねる部長は、間違いなく頭の回転が速いです。

 

一方で、頭の回転が遅い人はだれか。これも直ぐに思い浮かびました。数年来、同じプロジェクトに取り組んでいる同僚が、目に見えて頭の回転が鈍いです。

 

それでは、この二人の違いが何なのか、改めて観察してみたいと思います。

 

部長は頭の回転が速い!?

部長職にいる方々と会話したとき、いつも驚かされることがあります。それは、こちらが話す内容に対する理解の早さと、コメントの適切さです。

 

例えば、私の部署はシステムを扱う部門です。私の担当は会計分野ですが、他にも購買分野、営業分野、物流分野など、多くの分野が関係するのがシステム部門の特徴です。

 

そのようなシステム部門にあって、部長の裁可を仰がなければいけないことが度々あります。そのとき、われわれはさまざま背景やシステムの動きを部長に対して説明します。もちろん、関係する分野によってその内容は様々に変化します。そのすべてを部長が事前に把握できていることはまずありません。

 

このとき、部長はわれわれの会話を隅々まで理解するのでしょうか。違います。部長は、部長として自身が行うべきミッションをしっかりと認識した上で、そのミッションのために必要な情報だけを我々から吸い上げようとしています。

 

ですから、部長からは「●●とはなにか?」というような質問は滅多にでません。あるのは「◆◆ということか?」「▲▲については確認したのか?」など、ポイントが絞られた質問です。かなりの程度、的が絞られているといってよいのだと多います。

 

同僚は頭の回転が遅い??

一方で、同僚の方はどうでしょうか。彼と話していると、こちらが言っている傍から異なる理解・解釈を行います。そのたびに、こちらは表現を変え、ホワイトボードを使い、彼への情報のインプット方法を変える必要があります。

 

そんな彼は、しかし記憶力が悪いとか、論理的思考ができない、というわけではありません。自分の過去の知識や経験に照らすこともできますし、「そういうことであれば、次はこうなるのではないか」というような思考もできます。

 

ですが、ここでいう「そういうことであれば」の部分について、こちらの意図したとおりの理解をしないことが頻繁にあるのです。

 

そんな彼は、部長とは違い「●●とはなんですか?」「あなたはどう思いますか?」といった質問が多いです。

 

かなりの程度、自分自身の考えを持っておらず、多くの情報をとりあえず聞くことで得ようとする傾向があります。的を絞るつもりが無い、といってよいと思います。

 

部長と同僚の違いは何??

上述もしましたが、部長と同僚それぞれと私が行う会話の大きな違いは“的を絞った会話を望むか、とりあえず情報を引き出す会話を望むか”です。

 

さらにもう一歩踏み込んで、そのような会話になってしまう二人の違いとは何でしょうか。

 

私が考えるのは、“自分にとって意味のある情報とは何かを判断できているか(客観視)”、“自分がほしい情報と会話相手の関係を理解できているか(分析)”、“この会話を自分にとって意味のあるモノにすることができるか(技術)”の三点の違いです。

具体的にはこうです。

 

部長は各会議の場で自分が行うべき役職を理解しています(客観視)

 

部長は話してである私がどのような役割を期待しているのかを想定した上で会議に臨みます(分析)

 

部長は可能な限り効率的に、自分にとって必要な情報を引き出そうとします(技術)

同僚は様々な会話のなかから、自分がやらなければいけない(かもしれない)役割を探そうとします(客観視)

 

同僚は↑の客観視が終わらないので、ほしい情報や私からの期待などを考える隙がありません(分析)

 

同僚は↑の客観視と分析が終わらないので、会話の目的がいつまでもわからず、能動的な会話のリードが出来ない状態になります(技術)

 

頭の回転が速い、と思わせるには?

質問

 

上述したような客観視や分析は、会議や会話の前からどれほどの準備が出来ていたのかにも依存すると思います。つまり、会話が始まってしまってから準備するのでは遅い場合が多いのではないでしょうか。

 

とはいえ、そのまま状況が求めるがままに放置してしまっては、会議が終わることには打っても響かない柳のような者だと思われてしまうことでしょう。頭の回転の遅いやつ、という烙印は免れません。

 

そこで、ひとつのテクニックがあります。自分が準備できなかった客観視の部分と分析の部分を、相手にさせてしまえばよいのです。

 

「この会議が終わった後、あなたは私がどのような行動をすることを期待していますか?」

 

「この会議の中で、あなたは私からどのような情報を引き出そうとしていますか?」

この質問は、客観視の部分と分析の部分にかかわるものですが、間違いなく、自分にとって必要な情報を引き出す一言であることに違いはありません。

 

乱用は危険。努力は惜しまぬこと

もちろん、上手い話には裏があります。会議の中で自分の役割や期待はわかったとしても、即座にその場で相手の期待に答えられるすばらしい応答ができるわけがありません。そういうことが出来るのは、部長のように頭の回転が速いひとです。

 

相手も自分が期待していた回答がすぐに得られそうに無いことは薄々気づくはずです。そうなると、むしろ早い段階で会議を切り上げてしまい、仕切りなおすのが得策です。

 

その際に忘れてはいけないのが、次回の会議までに相手の求めに応えられるような情報をかき集めることを約束することです。そして、実際にそのような情報収集に奔走する必要があります。

 

ここを怠り、いつまでも同じような応答を繰り返した場合、相手にどのような印象をもたれるかは明白です。頭の回転が遅いどころか、不誠実であり、ビジネスパートナーとして信頼を置くことができないとさえ思われてしまうかもしれません。

 

部長になる必要はありませんが、相手の期待に応えたい、自分の勤めを果たしたい、と誠実な姿勢を示していくことが肝心になってくるのではないでしょうか。

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