
Google Chromeの神機能「拡張機能」ですが、一部の拡張機能がサポート終了となり、強制的にオフにされる事態が起きています。
非常に困っている方も多いのではないでしょうか。
筆者も愛用していた拡張機能が2つ強制的にオフになり、拡張機能の管理画面からもオンにできず、非常に困りました。
1時間ほど試行錯誤した結果、かんたんな対処法が見つかったので共有します。
【飛ばしてもOK】強制的にオフになる背景事情

なぜサポート終了となる拡張機能があるのか一応ご説明します。
現在、Google Chromeでは「Manifest V2(V2形式)」と呼ばれる旧式の拡張機能のサポートが段階的に終了しています。
Manifest V2は長年にわたって利用されてきましたが、セキュリティやプライバシー保護の観点から、新しい仕様「Manifest V3」への移行が進められています。
この移行に伴い、Googleは2025年以降、Manifest V2に基づいた拡張機能の動作を順次停止する方針を明らかにしており、すでに一部の環境ではV2拡張が強制的に無効化されるケースが出てきています。
その際に表示されるのが「この拡張機能はサポートが終了したため、オフになりました」というメッセージです。
つまり、この現象は拡張機能に問題があるというよりも、Chrome側の仕様変更によって「古い形式の拡張機能が使えなくなった」ことが原因です。
そのため、拡張機能によって、引き続き利用できるものとできないものがあるのです。
3つの対処法
今回の問題に関しては、以下の3つの対処法が考えられます。
- Firefoxに乗り換える(該当の拡張機能があれば)
- 無理矢理使う(条件つき)
- あきらめて代替の拡張機能を探す
1. Firefoxに乗り換える(該当の拡張機能があれば)
1つ目はFirefoxに乗り換える方法です。
実は拡張機能はChromeだけでなく、Firefoxにもあります。
そしてChromeで停止された拡張機能の中には、Firefoxでは停止されていないケースがあります。
例えば筆者使っていた拡張機能で、今回停止されてしまったものに「Absolute Enable Right Click & Copy」があります。
こちらはコピペが禁止されているサイトでもコピペできるようにする拡張機能なのですが、Firefoxでも同じ拡張機能が配信されていました。
そして、Firefoxなら利用ができました。
このように、拡張機能によってはChromeとFirefoxの両方で配信されており、Chromeでは利用できなくてもFirefoxなら利用できることがあります。
そのため、このケースならFirefoxを使うのが一番手軽です。
もし常時必要となる拡張機能でなければ、該当する拡張機能を利用するときのみFirefoxを使う、という方法で対策できます。
2. 無理矢理使う(条件つき)
2つ目の方法は無理矢理使う方法です。
ただし、Chrome以外のChromium系のブラウザ(BraveやEdgeなど)を利用するという条件付きです。
この記事の後半では、この方法を詳しく説明します。
こちらであれば従来の拡張機能と全く同じものを利用し続けられます。
1つ目と同じように、ブラウザをChromeから変える必要はありますが、BraveやEdgeのようなChromium系のブラウザなので、使い勝手はそれほど変わりません。
ただし、ちょっと複雑な設定をする必要があるため、Firefoxを使う方法と比べると難易度は上がります。
3. あきらめて代替の拡張機能を探す
3つ目はあきらめて別の拡張機能を探す方法です。
Chromeの拡張機能は腐るほどあるため、機能が似たような拡張機能がゴロゴロ転がっています。
例えば先ほど例で挙げた「Absolute Enable Right Click & Copy」というコピペ禁止を回避する拡張機能は似たようなものがたくさんあります。
そのため、特にこだわりがなければ同じような似たような拡張機能を探して利用するのが一番楽です。
筆者の場合は愛用していた拡張機能がChromeのみの配信でFirefoxにありませんでした。
また、似たような拡張機能はあるものの、どれも使い勝手が悪かったため、2つ目の無理矢理使う方法を試しました。
ここからはその方法をご紹介します。
旧拡張機能を無理矢理利用する条件
強制的にオフにされた拡張機能を利用する方法はいくつかありますが、今回紹介する方法が使える条件は以下の通りです。
- 拡張機能のソースコードまたはCRXファイルをダウンロードできる
- Chromium系のブラウザ(Brave, Edgeなど)を利用できる
1つ目が拡張機能のソースコードまたはCRXファイルをダウンロードできるかどうか、という点です。
拡張機能はChromeウェブストアから導入する以外に、拡張機能本体のソースコードやCRXファイルと呼ばれる専用のファイルをChromeにインストールする形で追加することが可能です。
つまり、ソースコードやCRXファイルがあればChromeウェブストアで配信が停止されていても追加できるというわけです。
ソースコードやCRXファイルを入手する方法については後ほど説明しますが、ソースコードに関しては拡張機能によっては入手できません。
また、拡張機能の開発元がどちらも公開していない場合は、拡張機能のCRXをダウンロードするための拡張機能が必要になります。
もしこれらのファイルを入手できない場合はこの方法は使えません。
2つ目はChromium系のブラウザを使用できるかどうか、という点です。
筆者の環境ではソースコードやCRXファイルを入手できても、これらのファイルを使ってGoogle Chromeにインストールすることはできませんでした。
一方で、Chromiumと呼ばれるGoogle Chromeをベースとして開発されたブラウザであれば使用できました。
筆者が検証できた具体的なブラウザはBraveとMicrosoft Edgeです。
どうしてもGoogle Chromeにこだわりたい方は、恐らく今回の方法では解決できません。
「拡張機能を使うときだけ別のブラウザでいい」「これを機にBraveなどに乗り換える」という場合はいけるかと思います。
サポートが終了した拡張機能を使用する方法
ではここからは具体的な方法を説明していきます。
また、タイミングによりこの方法でも対処できない可能性がある点は予めご了承ください。
1. 拡張機能のソースコードをダウンロードする
まずは使用したい拡張機能のソースコードをダウンロードします。
ただし、拡張機能によってはソースコードが配布されていない可能性があります。
そのため、ここでは配布されている場合とされていない場合の2つの方法に分けて説明します。
1. ソースコードの有無の見分け方と配布されている場合のダウンロード方法
「ソースコード」と聞くと難しそうですが、そうでもないのでご安心ください。
まずは以下の方法で拡張機能の管理画面を開きます。

次に使いたい拡張機能の「詳細」をクリックします。

次に「Chrome ウェブストアのページに移動」をクリックします。

するとその拡張機能のダウンロードページが開きます。
このページからソースコードが配布されていそうなリンクを探してください。
ただ、拡張機能によってリンクの記載場所や、そもそもソースコードが配布されているかが異なるため、こうしか書けなかったです。
拡張機能によってどこにリンクがあるかが異なりますが、筆者の場合は「サポートハブにアクセス」→「当該デベロッパーのサポートサイト」というところでソースコードが配布されていました。


また、他の拡張機能は説明文内にソースコード(Github)のURLがあり、こちらから開けるものもありました。
もう1つの拡張機能はソースコードの配布がありませんでした。
拡張機能によってはソースコードが配布されていない可能性があります。
その場合は、次に説明するCRXファイルを使う方法をご検討ください。
次にソースコードをダウンロードします。
筆者の使っていた拡張機能は「Github」というソースコードを共有できるサイトで配布されていました。
Githubの場合はメニューの「Code」をクリック後、緑の「Code」ボタン(メニューとは別)をクリックし、「Download Zip」をクリックすることでソースコードをダウンロードできます。

ダウンロード方法も拡張機能により異なるため、ここで一貫した方法をお伝えできない点はご了承ください。
ちなみにChromeの拡張機能のソースコードを見分ける方法は、ダウンロードしたフォルダ内に「manifest.json」と「background.js」という2つのファイルがあるかどうかです。
この2つのファイルがあれば恐らく拡張機能のソースコードです。
また、拡張機能によってはソースコードが配布されていなくてもCRXファイルが配布されていることがあります。
CRXファイルは拡張機能をパッケージ化したようなもの(Windowsで言う.exeファイル)です。
ソースコードがなくてもCRXファイルがあれば今回の方法で利用できます。
2. CRXファイルをダウンロードする方法
2つ目の方法はCRXファイルをダウンロードする方法です。
CRXファイルは先ほども説明したように拡張機能をパッケージ化(≒アプリ化)したようなファイルです。
Windowsのソフトの「.exe」のようなイメージになります。
あくまで自己責任でお試しください。
ではCRXファイルをダウンロードする方法をご説明します。
まず、「CRX Extractor/Downloader」を追加します。

次に引き続き使用したい拡張機能のChromeウェブストアのページを開き、「CRX Extractor/Downloader」を右上からクリックします。

「Download as CRX」というボタンが表示されるので、これをクリックします。

するとCRXファイルがダウンロードされます。
2. ブラウザにインストールする
次に今入手したソースコードまたはCRXファイルを使ってBraveなどに拡張機能をインストールします。
こちらもソースコードの方法とCRXの方法で異なるため、分けて解説しますが、途中までは共通です。
まずはChromium系ブラウザ(BraveやEdgeなど)で拡張機能の管理画面を開きます。
Braveの場合は右上のパズルのようなアイコンをクリックし、「拡張機能を管理」から開けます。
Edgeは右上の「…」→「拡張機能」→「拡張機能の管理」から開けます。
ここからは分けて解説します。
1. ソースコードを使用する場合
まずはソースコードを使用する場合です。
拡張機能の管理画面からデベロッパーモードを有効にします。
Braveは右上のスイッチをクリックすると有効化できます。
Edgeは左下の「開発者モード」をクリックすると有効化できます。
次にソースコードのフォルダを読み込みます。
Braveは左上あたりに表示される「パッケージ化されていない拡張機能を読み込む」をクリックし、フォルダを選びます。
Edgeは「インストール済の拡張機能」の右に表示される「展開して読み込み」をクリックし、フォルダを選びます。
これで追加できるはずです。
2. CRXファイルを使用する場合
CRXファイルを使う場合は非常に簡単です。
拡張機能の管理画面内にダウンロードしたCRXファイルをドラッグ&ドロップします。
すると追加されます。
たったこれだけで追加が完了します。
注意点
先ほども少し書きましたが、今回の方法は「無理矢理」使っているため、いつ使えなくなるかわかりません。
Chromeの公式はかなり前から使えなくなることを警告していたため、これらの裏技を駆使しても使えなくなる日も近そうです。
この記事の内容はあくまで記事執筆時点の情報であり、試す場合は自己責任でお試しください。
まとめ
今回は「この拡張機能はサポートが終了したため、オフになりました」の対処法について解説しました。
愛用していた拡張機能が使えなくなるのはとても悲しいですが、今回のような方法で延命することは可能です。
ブラウザを変えなければいけないものの、対処法がないわけではないので、それでもよければ自己責任でお試しください。